
木製茶器の世界 by エヴァ(Intern#187)
こんにちは!
私はスロベニアから来ました、2025年冬のインターン生#187、エヴァです!
木で様々なスプーンや道具を作ることが私の好きな時間の一つでした。
このブログを書いている時点で私はまだスプーン・レディと呼ばれていませんが、いつかそうなりたいと思っています。
おぶぶに来て、お茶を飲むための木で作られた茶道具を作る工程についてもっと知りたいと思いました。
お茶を飲むための道具は世界中にたくさんあり、木や形はお茶の文化によって異なります。日本では、茶器に使われる最も一般的な材料に竹が使われています。

茶道や家庭で抹茶を点てるときに使われる竹製のスプーンや泡立て器をご存じでしょうか。
竹の種類、道具の作り方、一つひとつの道具に注がれる手間、愛情、献身……。
これらすべてに私は興味を持ちました。
おぶぶに来て、そのことについてついて知りたいと思うようになり、同時になんで私たちは作られる過程について特に海外への情報発信が少ないのだろうと疑問を持ちました。木製の茶器はこれまでのお茶文化の中で常に存在しているにもかかわらず、陶器ほどには注目されていないように感じたからです。
特にお手入れ方法。
陶器については、洗剤は使わず、素焼きの器は水だけで洗うこと、急須はお茶の風味を吸収してしまうので、お茶の種類別で使い分けたほうがいい、などお茶に興味がなくても多くの人は知っていること。
では木製の茶筅はどうでしょうか?
私はこれまでもいろいろな木製の道具に興味を持ち、日常的に使ってはいたのだが、おぶぶに滞在している間に、そのお手入れ方法について多くのことを学ぶことができました。
それがきっかけで、これをインターンプロジェクトに捧げようと決めました!

日本で滞在中、私は木製の道具の正しい使い方や手入れの仕方を知らない人たちに出会いました。
茶筅の柄が折れたり、抹茶が茶杓についたり、カビが生えたりしているなど間違ったお手入れ方法をしていることを発見しました。そこで、シンプルで実用的な使い方とお手入れのガイドを作ることにしました。
日本には、竹細工や木工の非常に豊かで長い歴史とともに、お茶を飲むという非常に長い伝統があります。
籠や茶葉を編む材料から始まり、竹を建築や建設に利用することで、非常に実用的な家庭用竹製品が発展しました。当然、素材の使用法も進化し、職人たちは美しい装飾が施された宝飾品や装飾品を作り始め、非常に複雑なデザインが施された木製のナイフの柄を形作ることができます。ほぼすべての都道府県が独自のスタイルを持ち、木工技術は仏教の伝来とともにますます発展し始め、寺院の調度品や彫像に多くの努力が注がれるようになった背景があります。
竹を使った刃物や美しい茶道具が盛んに作られるようになったのは、もう少し後の室町時代(1336-1573)のこと。
私のプロジェクトでは、抹茶を点てるのに使われる竹製の道具に焦点を絞りました。

日本の他の種類の木工品やその用途、歴史をすべて調べようと思ったら、少なくとも10年はおぶぶに滞在しなければなりません。。日本では様々な種類の木が使われ、数え切れないほどの技術が応用されているので時間が足りません!
何十年もの間、日本の職人たちは杉、ケヤキ、竹などの木材を使用してきました。
それらにさまざまな木工技術が応用され、特に竹細工では、竹の自然なしなやかさを生かし、竹ひごを編む技法が盛んです。しかし、茶筅、茶杓、杓子などの茶道具には、一本の竹、あるいは二本の竹が使われることが主流となっています。
日本の茶道具に使われる竹は、伐採後しばらく熟成させなければなりません。
通常、竹は虫の活動が少ない冬の間に伐採され、乾燥、熟成させることで竹が乾燥し、耐久性が増していきます。市場には伐採したての竹で作られた茶筅がたくさん出回っていることもありますが、そういったものはすぐにカビが生えたり、竹の節がもろくなったりして、一般的にあまり長持ちはしません。また、竹は木に比べて表面積の大きい維管束が多く、簡単に裂けてしまうという弱点もあります。

茶筅や茶杓の材料として非常に注目されているのが、燻製にした竹です。これは、古い家屋で台所のストーブの上の天井に使われた結果、時間の経過とともに黒ずんだ外観が特徴的です。耐久性に優れているだけでなく、燻したような模様や色合いがとても美しく現れます。

茶筅(ちゃせん)と呼ばれる茶器は、中国・宋の時代に中国茶の一種である碾茶(てんちゃ)を点てるために使われたのが起源とされています。興味深いことに、茶杓は室町時代の日本の発明です。お茶を飲む機会が多かったので準備に手間をかけたくなかったのか、最初は金属や象牙で作られていましたが、その後茶人たちは木製の素材が最も効果的な素材であることに気づきました。

茶杓には多くのバリエーションがあり、そのほとんどは竹の歯の数で区別ができます。茶筅は10cmほどの竹筒の一端を「竹の節」と呼ばれる細い糸状に割り、それを紐で束ねて作られます。この数は16本と少ないものから120本と多いものまで多様です。茶筅は、上級の茶人が濃い抹茶を泡立てるために使うものである。本数の多い茶筅は泡立ちがよく、初心者におすすめです。日本製の茶筅は先端が柔らかいので、泡立ちがよく、よりなめらかな抹茶を泡立てることができます。また少し長持ちする傾向があります。
プロジェクトの一環として、本当は茶筅作りの現場を訪ねたり、ワークショップに参加したりしたかったんですが、最高にクールな職人さんと一緒に茶杓を作ることができました!
和束在住の茶農家である籠嶋さんは、おぶぶに来て茶杓のコレクションを見せてくれました。
茶杓は約18センチの長さで、乾燥させて熟成させた一本の竹から切り出されます。好みの長さと幅に切った後、片方の端をろうそくの火にかざして曲げました。小さな竹とナイフを使い、初めに茶杓の柄の形を整えていきます。竹での作業は、私がよく家でスプーンを作っている桜の木とは大違い。私はその工程にすっかり魅了されました。

柄を作った後は、裏の余分な木を削り、次に掬い口の形を整えていきました。
この写真は籠嶋さんのコレクションからいくつかの茶杓と、私たちが作った完成した茶杓です。
誰が作ったかわかりますか?

私、カトリーナ(AM)、ジョシュア(インターン#188)、そしてカヨさんの努力の結果です!
日本茶の世界には他にもたくさんの木の道具があります。
水をすくって器に移すための柄杓、煎茶用の木杓子、茶筒や茶箱、和菓子用の道具、小さなコースターや茶葉を淹れるためのスプーンなどなど。
どんなにシンプルな道具でも、そのひとつひとつが絶対的な美しさと職人技が垣間見え、このプロジェクトを作りながら多くのことを学んだ気がします。
最高にクールな人と一緒に自分だけの茶杓を作る機会があっただけではなく、天然の木の素材にとって、なぜ使用や手入れの手順が重要なのかについて多くのことを学ぶことができました。
最後に茶筅を泡立てる前にお湯に浸し、茶杓についた抹茶は決して水で洗い流さないでくださいね!


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