おぶぶについて

お茶の名前に隠された意味 Part2: 玉露、茎茶

おかえりなさい!日本茶の名前シリーズ、第2弾です!

今回は玉露と茎茶について話したいと思います。

(※おぶぶのインターン生が書いた元の記事は、2017年3月におぶぶの国際版(英語)HPにアップされています。元の記事はこちらから!)

Gyokuro 玉露

「玉露」という漢字は「宝石の露(つゆ)」ですから、緑色の希少な宝石・翡翠(ヒスイ)から集められた朝露…といったイメージが想起できますね。そして、お茶の抽出液も鮮やかな緑色をしています。

玉露は高級茶として有名です。1年に1度きりしか収穫されず、細心の注意を払って製造されます。そしてその玉露、生産量は日本茶全体の1%にも満たないのです!

覆い方は若干異なるのですが、抹茶やかぶせ煎茶(part1をご参照ください)のように茶樹は3週間覆いを掛けられます。覆いは、茶が上に伸びる空間を空けておくために、樹の上に直接かけるというよりはむしろ、垂直にポールを立てて棚を作り、その棚の上に覆いを掛ける形で茶を日陰に入れることが多いです。 特別な栽培と製造方法を通して、玉露は大変甘みがあり、濃厚で、強いうま味が感じられます。玉露は煎茶よりも遅く、1830年代に生まれました。

Kukicha 茎茶

茎茶はその名の通り、ほかのお茶とは異なって主にお茶の茎や葉の葉脈から他の茶の副産物として作られます。茎や葉脈は茶葉そのものから作られるお茶とは味が異なり(一般的により甘くてまろやか)、カフェインも少ないという特徴があります。

茎茶はたくさんのグレード・品質にわけられます。たとえば、玉露から作られた高級なものもあれば、普段使いのお茶として飲むような番茶から作られたものもあります。また、茎茶にはほうじ茶のように焙煎したものも、そうでないものもあります。このように種類はさまざまですが、茎茶は収穫した茶を余すことなく利用できるおいしくもお得なお茶なのです。

おぶぶの茎茶を見たことがある方はお気付きかもしれませんが、おぶぶの茎茶にはすべて鳥にちなんだ名前がついています。それぞれのパッケージにもその鳥のシルエットがラベルの上にとまっているんですよ。鳥と結び付けるなんて、なかなか思い付かないとても面白い発想ですよね!

Karigane 雁が音

小原古邨「月に雁」

 「雁(かり)が音(ね)」とはガン(雁)の鳴く声のことで、特に玉露などの高級な覆いをかけたお茶の製造過程で出た茎を使って作られるお茶のことを指す、昔の京都における茎茶の名前です。渡り鳥である野生のガンは、移動中に休憩するとき、水に浮かんでいる流木の上にとまることがあります。かりがね茶を淹れている時にその茎が小さな流木の破片のように見えることが「かりがね」の由来であるとも言われています。

おぶぶの茎茶 !

 おぶぶの茎茶の名前はすべておぶぶ独自に付けたものなので、おぶぶの私たちから聞かなければどの名前がどのお茶なのかわからないでしょう!おぶぶの茎茶はすべて碾茶(part 1をご参照ください)の茎から作られています。

Mejiro めじろ

「めじろ」はメジロ(目白)という鳥の名前から来ています。背中が黄緑色で、おぶぶの「めじろ」と似た色をしているんです!「めじろ」はおぶぶで最も高級な茎茶で、春に作られるおぶぶ最高級の抹茶「うじひかり」の製造過程で分けられる茎から作られています。甘く、さわやかで、うまみもたっぷり詰まっています。

茎茶「めじろ

Meguro めぐろ

 「めぐろ」は同名のメグロ(目黒)という鳥の名前から来ています。鳥のメグロはメジロと似ているのですが、目の周りが黒いのです。おぶぶの茎茶「めぐろ」は、2番目に高級なおぶぶの抹茶「ごこう」の茎から作られています。その味はやや苦み(どこか青唐辛子を思わせます)があります。(※現在は生産終了しています。2023年)

茎茶「めぐろ」

Tsubame つばめ

「つばめ」は藍色の背中と長く二股に分かれた尾が特徴的なツバメ(燕)から来ています。このお茶は夏に収穫された碾茶の茎から作られ、「めじろ」や「めぐろ」よりも深く、甘みのある味わいとなっています。

茎茶「つばめ

Suzume すずめ

 「すずめ」は白と黒の混じった栗茶色の小さな鳥・スズメ(雀)から来ています。茎茶「すずめ」は秋収穫の碾茶から作られ、焙煎されています。そしてその抽出液はスズメの羽のように繊細なピンクブラウンで、甘くスモーキーな風味が感じられます。

 茎茶「すずめ

Tsugumi つぐみ

最後に、「つぐみ」は黒い斑点のある白い胸と、くらい赤茶色の背中が特徴的なツグミ(鶫)という鳥の名前から来ています。「すずめ」のように「つぐみ」茎茶も焙煎されており、秋の碾茶から作られています。「すずめ」よりも風味や味が深く、香ばしくどこか木材のような、ほっこりするような香りのするお茶です。

茎茶「つぐみ

今週はここまでです!

次回は番茶とほうじ茶についてくわしく話していきます。

おいしいお茶時間をお過ごしください!

パート1:抹茶・碾茶・煎茶

パート2:玉露・茎茶

パート3:番茶・ほうじ茶

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